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Podcastの基礎知識

コーヒー主観のポッドキャスト総論

5-2.遠隔収録

執筆者 | 2022年01月15日

 ボイスチャットやビデオチャットが当たり前に使用できる現在はオンラインを経由した遠隔収録も多用される手法の1つです。
 収録場所を必要とせず、物理的な距離も考慮する必要の無い遠隔収録は話者それぞれのライフスタイルや隙間時間に合わせて収録スケジュールを設定することができて大変便利な手法となっています。

 遠隔収録に使用されるのは日々新しいものが登場していますが、基本的には一般的なボイスチャットやビデオチャットのツールです。

  • 収録に使用される主な音声通話環境
    • Skype
    • Discord
    • Facetime Audio
    • Line通話
  • 収録に使用される主なビデオ通話環境
    • Zoom Video Communications
    • Facebook Messenger
    • Google Meet
    • Skype
    • Discord
    • Microsoft Teams 
    • Restream
    • StreamYard                   

 特にコロナ禍の影響でビデオ会議ツールとしてのビデオ通話はプラットフォームが充実しています。音声通話でもビデオ通話でもネットワークを介した音声は直接聞く音声に比べて音質が低下している場合が多くあります。遠隔収録による音質低下の主な影響は以下の通りだ。

  • 遠隔収録による音質低下の主な影響
    • 通話の遅延
    • 音質の低下

 ネットを介した通話には「音声をデータに変換→ネット経由で伝送→データを音声に変換」という変換と通信が介在します。そのため、どんな環境でも一定程度の遅延が発生しています。

 遅延とは私が言った「ハイ」が相手に聞こえるまでの時間差の事を指します。例えば分かりやすく1秒の時間差があったとして、話者Aが「天気は如何ですか?」と問いかけた場合、話者Bには1秒の遅延の後「天気は如何ですか?」と聞こえます。
 話者Bの「こちらはあいにくの雨です」という答えは1秒の後に遅延の後に話者Aに「こちらはあいにくの雨です」と聞こえます。すると、話者Aの感覚では「リアルな対面コミュニケーションに対して2秒の遅延」を感じながら会話をしている事になります。基本的には電話をしている時でも同様な遅延が発生していますが、不思議なもので当事者間はあまり遅延を意識をする事は無いかも知れません。音声配信として聴取者がその会話を聞いたときや2名以上の会話の場合等は遅延が原因となる「テンポの悪さ」を感じる場合があります。

 特に扱いに困るのが、ネットワーク環境やパソコンの処理負荷の状態により、「音声の遅延量は一定ではない」という事です。例えば30分の収録をネットの向こう側で録音した音声とネットのこちら側で録音した音声を用意して比較した場合を考えてみます。2つの音源の波形を並べて比較した場合、スタート時点のズレをピッタリと合わせたとしても所々で波形のズレが確認できるはずです。そしてその波形のズレはあるときは回復し、あるときは大きくなるという感じになるはずです。
 通話ソフトはデータが十分に受け取れなかった場合ぷっつりと音声が切れる前に、通話が途切れなくする努力をしているようです。音声の再生速度を僅かに遅くして間をつなぐ感じをイメージして頂ければ分かりやすいかも知れません。

  • データの受け取り量の変化による再生速度の変化(感覚的な例え)
    • データが十分に受け取れている場合 x1.0倍の速度=等速で再生。
    • データを十分に受け取れていない場合x0.9倍=少し遅く再生。(間を引き延ばして途切れを防ぐ)
    • データの受け取り量が買う服した場合x1.1倍=少し早く再生。(早送りしてリアルに追いつく)
    • その後等倍再生に復帰。

 この現象は現時点で対策方法はありません。音楽セッションを前提にしたソフトではこの同期ズレがないと期待されています。※私自身は十分な検証が出来ていないので今回はご紹介を割愛します。
 「では、どうしよう?」という事ではなく、そう言うものだと理解していればそれで問題はないと思います。こだわりさえしなければ聴取体験に大きな影響を与えない、または編集段階で修正可能な範囲だと私は考えています。

 これまでご説明したように、遅延やそれに伴うテンポの悪化は聴取体験に対する悪影響は少ない、それに対して音質の低下は問題があります。
 ハンズフリー通話の機能を思い出して下さい。相手の声をスピーカーで聴きながら、こちらもスマートフォンを口元に寄せずに話ができる便利な機能です。
 隣に居る人は、話者Aの声も通話相手(話者B)の声も同じように聞くことができるでしょう。そうして聞こえる話者Bの音声は話者Aの音声と共にスマートフォンのマイクに入力されています。何も対策がなければハウリングやエコーバックという問題が発生して通話どころの話ではなくなります。そこで、エコーキャンセル機能によりスマートフォンから聞こえてくる話者Bの音声をソフトウェア的に消してしまっている、それがハンズフリー通話の要の1つです。
 大変便利な機能ですが、スマートフォンは話者Aの音声と話者Bの音声を「聞き分けて」キャンセリングしている訳ではないので、本人の音声にも影響が出こともあります。ビデオ会議などで相手の音声が聞きにくいな?と感じるときはこのエコーキャンセル機能が影響している可能性も少なくありません。ビデオ会議などの音声通話機能は音声品質よりも会話継続に軸足を置いていると考えれば理解しやすいと思います。

 では、Podcast収録の為に音質を少しでも良くするにはどうすれば良いのか。それは「エコーキャンセル機能をオフにする」ことです。そのためにはイヤホン等の利用が前提になります。直ぐにできる音質改善の対策なので是非試して見て下さい。その他にもノイズキャンセル機能があるが、期待通りにキャンセルできない場合、又は利用しなくても影響が少ない場合はオフにしても良いでしょう。これは実際に録音した音声を確認して試行錯誤してみてください。

 遠隔収録を行う際に、「代表者が全員の通話を録音する方法」と「各自が自分の音声を録音する方法」があります。
 後者の場合、各自がネットを介さず収録した音声を収録後にファイルとして編集者へ提供する事になります。通話は通常通り音声通話機能で行うが、収録音源は各自ネットを介さない音声を収録できるため、エコーキャンセルやノイズキャンセル、そして回線品質に寄らず各自の可能な範囲の中でベストな音質を期待することができます。その後の編集等の手間は発生するが音質向上には大変効果的な方法の1つです。
 私達電器屋Walkerもその大半を「遠隔通話、各自録音」の方法で収録を行っています。


電器屋Walkerの過去配信のBGMで利用させて頂いております。

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