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Podcastの基礎知識

コーヒー主観のポッドキャスト総論

4-2.レコーダー

執筆者 | 2021年12月15日

4-2.レコーダー

 Podcastの録音に使用される主な機材はスマートフォン、パソコン、レコーダーの3つに分類されます。

  • スマートフォンでの録音の場合
    • ボイスメモなどの録音専用アプリ
    • anchorの様に配信アプリ上

 スマートフォンは最も手に入れやすいレコーダーで、インフラとしての立場も確立した現在は多くの場合改めて購入する必要もなく所有しています。レコーダーとして十分な性能がありますが、使い勝手はアプリに依存します。
 スマートフォンを録音に使用する場合は電話着信があった場合の挙動を確認しておきましょう。着信は録音に優先される場合が多いので、着信により録音が中断される事があります。場合に寄っては機内モード等を使用し、ネットワークとは切り離した状態で使用する事も検討の必要があります。
 手軽に用意できる反面、設定の自由度は低い点も注意が必要です。


 パソコンも比較的所有率の高い機材の1つです。WindowsかMacかで多少状況は違いますが無料で使用できる音楽編集ソフトでも十分に録音を行うことができます。無料の音楽編集ソフトではAudacityが有名です。WindowsとMacの両方に対応しており、解説記事等も豊富にあります。フリーソフトが故に新しいOSへの対応や不具合の対策等はタイムリーで無い場合もある点は注意しましょう。
 Macに限ればGarageBandという優秀な音楽編集ソフトが無料で使用できます。こちらの利用者も少なくありませんが、iOS版のGarageBandで音声編集を行う場合は使いこなしに少しハードルがあるようです。


 パソコンでの編集ではDAWという音楽編集ソフトを使用している例もあります。(前述のAudacityGarageBandもDAWですが、ここでは別に取り扱います。)Adobe AuditionApple Logic ProAVID Pro ToolsSteinberg Cubase等が有名で、一部無料で使えるもの、機材を買うと機能限定版のライセンスキーが付属してくる場合もあります。
 録音するという機能においては無料と有料で大きな違いはありません。本格的なDAWを使用するとプラグインと呼ばれる追加機能を使うことが出来たり、ノイズ低減やイコライザー等の整音作業を行う事が出来るようになります。比例して手間と時間が増えますから、一長一短と言えますが完成度を高める1つの手段になります。

 プラグインは様々なブランドが存在しますが、WavesiZotopeがメジャーなブランド。Podcast編集においては特に「収録時の不具合」を修正する為の様々な効果を導入する事ができます。環境音、暗騒音を除去するノイズリダクション系、破裂音や破擦音を抑制するもの、残響感のコントロールすら可能となっています。安いモノではありませんがPodcastの品質は聞きやすさ=ユーザー体験に直結する大事な要素ですから、いつかのタイミングで導入を検討しても良いでしょう。プラグインについては後ほど改めて言及します。


  • 様々なレコーダー
    • ボイスレコーダー
    • ハンディレコーダー
    • レコーダー機能搭載デジタルミキサー
    • フィールドレコーダー

 録音それ自体はスマートフォンやパソコンの録音アプリで十分ですが問題もあります。例えばスマートフォンであれば録音中に着信があれば録音は中断されてしまいます。パソコンであってもソフトの不具合によりフリーズすればファイルが破損して全てが無に帰すことも。誤操作により録音が中断される危険性もあります。それでは独立したレコーダーはリスクを完全に排除できるか?と言えばそうではありませんが、スマートフォンやパソコン等の通信手段とレコーダー等の録音手段とを切り離す事ができるという点は十分な意味があると考えています。

 レコーダーは録音中にランプが点灯する場合が多く、目視で録音状態を確認しやすいメリットがあります。レベルメーターが付いていればどの程度の音量で録音できているのかをいつでも確認できます。また万が一不用意に録音停止ボタンに触れてしまっても容易に停止しないような誤操作防止の操作を組み入れたものもあります。
 必須という訳ではありませんが、レコーダーの導入を一度検討してみても良いかも知れません。パソコンでの録音、スマートホンでの録音で配信しているPodcast番組も数多く存在しているので「必ずレコーダーが必要」という事ではない事を誤解の無いように改めて言及しておきます。

 録音手段に寄らず失敗のできないシチュエーションでは「バックアップ体制」も検討しておくと安心です。メインの録音方法の他にもう一つ録音をしておくことで、万が一の事態に最悪の状況を回避する事ができます。


 ボイスレコーダーは最も廉価な選択肢の1つです。ICレコーダーなどとも呼ばれ会議の録音時に使用するスティッグ型のものを想像して頂けると分かりやすいと思います。殆どがレコーダー本体に内蔵されたマイクを使用して録音する事を想定していて、1人での収録にはこれで事足ります。ネットワーク経由の遠隔収録等には3.5φオーディオミニプラグでの接続が必要となります。液晶表示画面などが小さい場合が多く、表示内容の確認には多少の不便さがある。

 ハンディレコーダーは業務用のレコーダーから機能を絞り、買いやすい価格帯に落とし込んできたクラスと考える事ができます。フォン端子やXLR端子での接続が可能であったり、パソコンと接続してオーディオインターフェース(パソコンにマイクを接続する為の中継機器の様なモノ)としての利用が可能であったりします。オーディオインターフェースとして使用する場合には、機種によってレコーダーの録音機能が使用できなくなるので注意が必要です。
 価格帯的にも幅が広く、リミッターやコンプレッサー、ローカット等の収録品質向上に貢献する機能を持つモデルや、マルチトラック録音に対応しているものモデルなど、ボイスレコーダーに比して使い易さが向上しているため、このクラスを検討するのがオススメです。

 デジタルミキサーの見た目に録音機能を付加したモデルもあります。サイズとしては比較的大型になりますが、オンラインでの遠隔収録を意識したモデルも登場していて、新たな選択肢になっています。音量調整陽のフェーダーが装備され居て、収録の段階で音量バランスの調整が容易なのがメリットです。自ら話しながら録音機材を操作するワンマンオペレーションで音量バランスをリアルタイムに調整する事は経験を必要としますが、それでも録音の品質を一段引き上げてくれます。マルチトラックでの録音(入力毎に独立したトラックに録音する機能)に対応しているモデルもあります。

 フィールドレコーダーはプロの現場で使用される機材です。テレビのロケシーンで長い竿に付いたマイクを持つ人が首からぶら下げている、そんなイメージを持って貰うと分かりやすいかも知れません。多くはマルチトラック録音に対応しており、バッテリ駆動など屋外で使用する事が前提に、その他多くのプロ向けの機能が詰め込まれています。価格はハンディーレコーダーの比ではないほど高くなる。音響を趣味としているなら一度は触って見たくなる、というクラスです。


 ここ数年Podcast向けを意識したレコーダーが登場しています。一番の特徴はボイスチャット、ビデオチャット等のオンラインを経由した遠隔収録に対する仕組みをしっかりと内包している点です。

 例えば2名、遠隔での収録を想定してみましょう。
 自分の音声はマイクからレコーダーへ繋げばそれで録音できます。相手の音声はパソコンからの音声をレコーダーへと繋げばOKです。問題は「自分の音声をどうやって収録相手に伝えるか」となります。え?と思った方もいらっしゃるかと思いますが、レコーダーでの遠隔録音を意識すると、こんな簡単な事に少し悩まなくてはいけない場合があるんです。方法は2つ考えられます。1つはレコーダーへ接続するマイクとは別にマイクを用意してボイスチャットと接続する方法。例えば自分の音声の録音はマイクで行い、ボイスチャット様にUSBヘッドセットを使うという様なイメージです。もう一つはレコーダーに入力されたマイクの音声を使用してボイスチャットへ音声を受け渡す方法です。前者の場合、構成はシンプルだがマイクを2本使う事になり、後者の場合「エコーバック」という現象に気をつける必要が出てきます。エコーバックについて後述します。
 そこで必要になるのが「ミックスマイナス」や「マイナスワン」と呼ばれる機能を持つレコーダーです。
 ミックスマイナスはエコーバックを抑制する機能です。簡単に言うと以下の通りです。

  • 相手のヘッドホンで聞こえる音
    • 通常:相手のマイクの音声を含む
    • ミックスマイナス:相手のマイクの音声を除く

 たったこれだけの事ですが、非常に大きい違いを生みます。説明が難しくなるのでここでは割愛しますが、興味を持たれたら是非調べてみて下さい。

  • ミックスマイナス機能を持つPodcast向けレコーダー
    • PodTrak P4                   株式会社ZOOM
    • PodTrak P8                   株式会社ZOOM
    • LiveTrak L-8                  株式会社ZOOM
    • MixCast4                      TASCAM(ティアック株式会社)
    • RODE Caster Pro           RODE ※技適認証未取得のため国内使用不可

他にも通称ポン出しというサンプラー(効果音やBGMを再生する機能)を持っているモデルもあり、複数のヘッドホン出力を持つなど収録に必要な機能をまとめているのが特徴です。


電器屋Walkerの過去配信のBGMで利用させて頂いております。

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